きのう天皇が傘寿を迎えられたとのことで特集されたNHKの番組を見た。

両陛下の慈愛に満ちたまなざしは災害などで苦しむ国民への大きな慰めになっているのを感じた。
孤独だと思われるその立場にあって自らの役割を深く理解し行動されるお姿に
ひとりの人間としても尊敬できとても近しさを感じさせてくれた。

その後の民放ニュースですっぽり省かれていた天皇陛下の記者会見のある部分が
北海道新聞に要約としてあったのでそれを転載してみたい。

「最も印象に残っているのは先の戦争です。
学齢に達した時には中国との戦争が始まっており、
終戦を迎えたのは小学校最後の年でした。
前途にさまざまな夢を持って生きていた多くの人々が
若くして命を失ったことを思うと痛ましい限りです。


戦後、日本は平和と民主主義を守るべき大切なものとして
日本国憲法をつくり、
さまざまな改革を行って、
今日の日本を築きました。〜以下略」

陛下は戦争を知っている。
そして戦争を知らない首相は平和主義を積極的平和主義と言い変える。
積極的に平和に働きかけるならともかく軍備増強が積極的の意味なら
本末転倒だ。防衛のため敵基地攻撃の議論さえ出るなんて恐ろしすぎる。
武器輸出三原則もズルズルと崩され平和憲法も最終的に変えようとしている。
勝手な想像であるがこの国の行く末に危惧を感じてのこの陛下の発言だったのではないだろうか?

政府は今でも事故の止め方がわからないのに原発を今後も稼働させていくつもりだという。
どれもこれも信じられないことばかり。
国民の過半数はこれらのことに危機感を抱いているのに、
どうも権力を持っている人達はそうでもない様子だ。
これこそ民意と政治の「ねじれ現象」というべきではないだろうか。

今日はクリスマスイブ。
ろうそくに火をともし平和を祈りたい。
私には日本国憲法と天皇が平和を愛する理念でひとつにつながって
いるように見える。
その理念は次の世代にそのまま渡したいと思うのだ。