「目で判断せずに心で判断しろ」 シャイアン族の格言より


飛行機から見ると日本列島はとても小さい。
夕陽に光る日本海に突き出た男鹿半島、付け根に八郎潟が見える。
さらにわずかの時間でマサカリのように突き出た下北半島にさしかかった。
六ヶ所村や建設中断中の大間原発のある半島は函館とワンセットで見えて来る。
イカ釣り漁船の光が海峡にチラチラときれい。
きのうの道新朝刊には「大間原発 建設再開へ攻勢 電源開発社長が現地入り」の見出し・・・。

お盆過ぎに初めて能登半島の七尾市に行きました。
目的は息子の結婚相手のご両親にあいさつするため。
翌日は朝から私たちに能登のきれいな場所を案内しようとお父さんの運転する車で
ドライブに連れて行ってくれました。

ご両親ともに生まれも育ちも能登。
黒塗りの瓦屋根の家々と、海の幸に恵まれた
美しいこのふるさとを愛してやまないのがうかがえました。

そのご両親の家から敷地真下に活断層があるのを指摘された志賀原発(しかげんぱつ)までは
わずか10kmという近さ。
もし何かあればあきらめるしかないと胸中を話してくれました。
そして今日の道新朝刊には「断層あっても原発稼働 保安院が安全新基準検討」の見出しが・・・。

能登島、輪島朝市、白米千枚田、総持寺など風光明媚な場所をドライブしながら
住民の根強い反対運動があり紆余曲折の末計画が白紙になった珠洲原発(すず)の話も伺いました。
原発誘致の話が持ち上がった地域は必ずや住民同士のつながりも分断されてしまう。

5年前に能登地震という大きな地震があり途中いまだに瓦の落ちた小屋が散見され、
総持寺という由緒ある禅寺はいまだ地震で崩れた屋根を修復中で、壁も地杭からずれて
ゆがんだままでした。

このような日本の原風景をとどめる美しい場所に原発があり
活断層の上に建っている、しかもそれがわかっているのに動かそうとする勢力。
311以降信じられないニュースが毎日のように続いています。

飛行機から見れば日本は小さい。
また漏れ出た放射性物質からすればさらに日本は小さく世界すら小さい。

しかし、その下にはいったいどれだけの命が日々生きているのでしょうか?
ちょうど草の上を歩く足の下に何億もの虫や微生物がひしめいているように、
見えないけれど地上にはたくさんの愛と物語があるはずなのです。

それらを根こそぎ奪う原発のすみやかな廃止を求めます。

愛してやまない断酒153日目
愛してやまない人のために断原発0日目