ここ新得町に住む古い友達であり、パセリ座という人形劇団を続けている能登さん夫婦がいます。
このほどメノナイト帯広キリスト教会の月報に能登真由美さんが綴ったクリスチャンとしての証しが掲載されます。
本人の了解をもらいましたので、ここにさきがけて紹介させていただきます。
(わたしは、初めてこの文章を読んだ時、ついウルッときてしまいました。)



  
           天使のささやき        能登 真由美 

まるで古い歌謡曲の題名のようですね。
大天使ミカエルやガブリエルとは違います。
私が知っているのはアーニーローリーの歌にでてくるような、小さな天使です。
でもその時々に応じて備えられた神様からの使いだと信じています。

人形劇をやっていると、たくさんの子供達に会います。
指人形のトマトちゃんが空の雲には味があるか、ないかを調べるために
キュウリ君と一緒に飛行船に乗って空を飛ぶお話ですが、
ダンボールで作った雲をパクパク食べて「おいしい!」のせりふに
客席からタメ息のような声で「ホントー」と聞こえてきました。
けこみの中から客席は見えないのですが、
ポカーンと口をあけて無心に見ている子供の顔を見たように思いました。

「裸の王様」のクライマックスは
1メートル位の大型の人形を操作しながら観客の中を行進するのですが、
すばらしい服を着ていると思っている裸の王様に、5~6才の女の子が
走り寄ってきて大きな声で言いました。
「王さま!王さまはだまされているのですよ!」
すぐ後で操作している大人など目に入らないのです。
王様の目を見て一生懸命に知らせるのでした。

もう1つ、ささやきを
マリオネットのサーカスでキャッチボールの上手なアシカのアッちゃんは子供達の人気者です。
冷やかす子供はよくいます。うるさい子だなあと思って無視したのですが、
その子は人形劇が終わって、アッちゃんを片付けている私のそばへやってきて言うのです。
「ねえ、それって、糸でうごかしているんでしょ。」
私は「当たり前でしょう、人形なんだから‥‥」と顔も見ないで言いました。
するとその子が小さな指を口に当て
「シーッ、ないしょにしてあげる。」と真顔で言うのです。
私は手が止まり、涙が出そうになりました。
「ありがとう」と言うとその子はニッコリして走ってどこかへ行ってしまいました。

これらの子供達から感動と力をいただきます。
子供達に神様のお守りがありますようにと、祈らずにはいられません。