このところ毎日のように小ぶりのノコギリを持って山の手入れをしている。
新内からこの上佐幌に引っ越してから20年以上になるが、
その途中でここの宅地、畑、山林を含めて2ヘクタールを購入できた。
今まで冬は働いていたり介護をしていたりでできなかったが、
この冬になってはじめて手入れを始められたところ。
恐らく30年はほっておかれたままだったろう。
原生林でもない限り、いったん人手の加えられた(伐採されたりした)林は
手入れをしないと、良い森にはならない。
自然に任せたら驚くほどの時間がいることだろう。

上の写真のカシワの大木の多い森はここに来たときから
気に入っている気持ちのいい場所だ。

ところが下の写真はそこから30メートルくらい行ったところ。
ツル性植物が複雑な電気配線のように伸び放題で
木の幹にらせん状にまきつき、しめあげ枯らしている。
枯らしてしまったら今度は次の木の枝に手を伸ばしていく。

わたしも自分の心の中の森を手入れする必要があると思った。
気持ちの良い森を作るためには、
いるものといらないものをよく見極め
世話をしていかなければならない。
なんでも自然にまかせればいいとは限らない。






夕方、斜め右下のほうから太陽に照らされた三日月が浮かんでいた。
雪をかぶった日高山脈は黒いだけのシルエットと化し
そこからくっきりと夕陽の赤い色が始まり、
そして上に行くにしたがって
赤は青と次第にまじりあい
頭上の深くて暗い青へと続く。
その深い藍色といってもいい空をバックに
くっきりと輝く親指の爪のような三日月。

月はやがて太陽を追うかのように
高度を下げ大きくなっていった。
影の部分も淡くまんまるく見えた。
これは「地球射」といって、
地球の光が反射しているのだそう。