同居している義父は戦争で中国へ行っている。
任務は旗護兵と言って軍旗を護衛する役目だったという。
軍旗は天皇と同じ神聖なもので、もし相手に捕まれば
手榴弾でもろともに吹き飛ばされるように教え込まれていた。

たかが布きれ1枚に命をかける、なんと人間はおかしな生き物なのだろう。
戦争でなくても、人はいろんな旗を大事にしたりする。
一体感が気持ちよかったり強さの象徴にしたり。
実際にはただのデザインに過ぎないのに
時には命にまで関わる意味を持たせてしまう。

旗はどんなに立派でも正義でも
そのかたわらに立つ人間はある日
ひるがえった旗にあたり痛い目にあったりする。

どんな旗もいらないと思う。
故城山三郎氏の詩の中にある「生きるには旗いらず」のフレーズに
深く納得するものである。

城山三郎氏について

http://homepage2.nifty.com/kenpou/siroyama.htm