きのうソバを播く畑を50アール分トラクターで整地したが、夜にカミナリを伴った雨が降ってしまったため、畑が乾いたらもう一度やり直しだ。今年は豊作でありますように。ソバの種はことばで表現すると「ひし形ふくれ三角形」下の一点だけがとがっている。
こげ茶色の皮の中に真っ白な粉が入っている。これがソバ粉だ。
昔、何も農業のことを知らない僕たちにひとつひとつ教えてくれた野菜農家の方がいる。
この方は戦後の開拓で東京から10代の時に新得に入植した人だ。
ソバの茎は中空なのだが、その人ははじめてソバという作物を見て、その茎の中に乾麺が入っていると思い、目を寄せて
のぞいてみたそうだ。そしたら空っぽだったと。(笑)
僕も枝豆と大豆がいっしょだったと知ってびっくりだったし、知らないということは新鮮な驚きに出会わせてくれる。
日ごろ口にしているものが、どうやって生まれ、育ち、目の前に運ばれてきているのか、
その過程を私達は知らない。
新鮮な驚きは興味に変わり、さらには感謝の念につながる。するとそれが美味しさの味わいに加算される。
そんな気がする。

娘は保育園の栄養士として働いている。
小さい頃からよく農作業を手伝ってくれた。
最近、食育が叫ばれているのはそれだけ食べ方の荒廃が進んでいるということなのだろう。
道のほうからも食育の計画書やらの提出を求められるそうだ。
けれども本人は自発的な気持ちで食育には強い意欲を持っている。

けさの電話で、医者で胃潰瘍の初期だと言われたとのこと。
娘は管理する立場なので精神的に大変らしい。
今日は休みだし、ファンであるミスターチルドレンのコンサートがあるので声は明るかった。
世の中思わぬ伏兵がいたりして、すんなり自分が思うようには進まないのが常だが、
彼女の夢だけはずっと応援していきたいと思う。
自然と自分とのつながりを子供たちが驚きをもって感じ、自然に食べ物に感謝できるように
そうもっていけるような栄養士の出現を待ち望んでいる。