今日は南仏プロバンスのような風がそよぐ
日だった。(行ったことはないが・・・。)
トラクターで、播いた肥料を土と混ぜて走る。

そんな時、決まってカラスが後方3mくらいに
ついてくる。
浮いてきた白い幼虫を食べるためだ。
黒いカラスも良く見ると、虹色を帯びている。
「お前も一生懸命生きてるんだな~」
なんだか友達に思えてくる。
さらに、いつものあいつが今年は見ないなと
思っていると、いつの間にか
カラスの後ろに、白に黒のストライプ
ハクセキレイが現れ、同じように
虫をつつきながら、トラクターに歩調を合わせる。

これで四者がそろった。
いつもの春の顔ぶれである。
青い古いトラクター、カラス、ハクセキレイそれに自分。
みんな同じ今を生きている。

マルチをはって、いよいよトウキビの種を蒔く。
この時をさかいに、カラスとは敵対関係へと変化する。

へたをすれば、トウキビが芽を出す前に
掘り出されることがある。
食べるわけではない。
マルチの上に根っこの干からびたトウキビの種が
陳列されている。
それがかぼちゃの双葉のこともあった。

二列ほど播いたところで
倉庫に行ってある物をとりに行った。
それは、プラステイック製のカラス。
目玉に青緑色のガラス玉がついていて光る。

これをサオの先にぶら下げると
仲間の死体だと勘違いして
その畑に来るのを敬遠するようになるのだ。

その商品名で選んだようなものだ。
なかなか皮肉がイケてると思った。
その名も、「イヤガラス」。

夕方はトラクターの音もやみ、
うっすらと新緑が色づいた林のあちこちで
鳥たちが鳴いている。
「ホーホケペキョ!」

明日は本格的な種まきだ。