3月18日 常陸太田市 里山ホテルときわ路
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ヨッシーとお母さんと3人で高速道路を使い仙台から常陸太田市に向かう。
途中高村光太郎の智恵子抄で有名な安達太良山近くで食事。
ヨッシーのお母さんもまた美しい人で年齢は僕の方が近い。
ヨッシーと並べばお姉さんかと思うほど若々しい。
車で次の演奏に向かうのもはなやかでピンキーとキラーズになった気分(笑)

仙台ではヨッシーの妹さんがライブ開催に奔走してくれたが
今回は茨城である企業の部長をしている弟さんが奔走してくれた。
ヨッシーは兄弟からも愛されているんだな。

会場の里山ホテルときわ路に着いた。
まず驚いたのは出迎えてくれたスタッフの方の気さくな感じの良さ。
あとで名刺をいただいたら肩書きは「さかせる係」
青虫ノッポの音源を聴いて「うちにぴったりですね」と即答してくれたという。
すごいのは中庭にテニスコートがあったのを畑にしてしまい
残飯なども使いヤギを飼い落ち葉を集め堆肥を作り野菜を作っているのだそう。
薪割りをしてくれたら宿泊料割引きなど。

ふかふかのソファーがたくさん置いてあり子どもの遊び場のあるロビーが
会場だ。弟さんご家族、有機農業をしている近くの人、新得で新規入植した
友達のお母さんなどが来てくれた。

特に嬉しかったのは2008年前にウーファーで秋の収穫期に滞在した
さやかさんがご主人と小さな娘さんと共に来てくれたこと。
幸せそうな笑顔で約10年ぶりに会うことができた。

ライブ途中でぼろぼろ涙を流していて終了後そのわけがわかった。
娘さんを産んだあと自身の体に異変があり手術や抗がん剤の治療など
大変なことがあったことを打ち明けてくれた。

それでもご主人は動じずずっと彼女をサポートし続けてくれたそうだ。
病室では泣き続けたけどご家族やご主人の支えで乗り越えられたと話してくれた。
そんなつらい思いも経てこうして自分に会いに来てくれたとを思うと
ジンと来てしまった。

彼女がプレゼントとして渡してくれたものを紙バッグから出してみたら
それは大きな写真アルバムだった。
80枚近くに及び「ジャガイモ畑でつかまえて」のイベントの様子や
人参収穫や箱詰めの様子、まわりの風景、連合いの用意した朝昼晩の
それぞれ全食事まできれいにレイアウトされコメントまで添えられている。
「ああ、こんなこともあったんだ」と忘れていたことまで思い出す。

以降コンサート会場ではこのアルバムをたくさんの人に見てもらい
自分の夏のあいだの暮らしぶりを知ってもらうのにとても役立った。
これからもこのアルバムは我が家の家宝であるのは間違いない。

さて、ライブが終わり支配人の方とお話した。
まだ40代の若い方で名刺には支配人などと書かず「そだてる係」とある。
見るからに優しい方で僕らがここに来てからホスピタリティの質の高さに
驚きましたというと「従業員が聞いたら喜びます」と笑顔を見せてくれた。

古い頭のかたい大人達の考えるホスピタリティではない新しい価値観、
実は本当に人がリラックスできるのはどういうことかをしっかり考えた
結果なのであって新しいも古いもないはずなのだが、従業員ひとりひとりが
自分の仕事に誇りを持ってお客をもてなす雰囲気になっていることが
まず気がついたことだった。

しかもオーガニックなことの価値をわかっている。
ヨーロッパではアグリツーリズモなどですでに始まっていると思うが、
既存のスタイルのホテルが変貌しそういうコンセプトを持ち始めたのは
日本では先駆的存在なのではないだろうか?

この日は土曜日でもあるしどんどん客が入る忙しい中
僕たちにお茶を何度も持って来てくれたり終始笑顔で
気さくに話しかけてくれた「さかせる係」の舘さん。
以前からの知り合いであったような方がこのホテルを
本当の意味で咲かせているような気がして来た。
人間性で勝負している新しさを感じるホテル。
口ではうまく説明出来ないが本当に驚いたホテルだった。
http://satoyama-hotel.com/

いろんなことでジンと来た里山ホテル。
宿泊はヨッシーの弟さん宅、黒板には僕たちへのウエルカムボード。
暖かいね。いよいよ明日は東京へ。