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ブライアン Be wildにて国鉄の車掌の帽子をかぶり。

凍るという恐ろしいリミットがあるために
それぞれの作業をパズルのように組み合わせる毎日。
畑の乾き具合、天気予報、家族の疲労度、発送しなければならないもの、
さらにはいくつかの小さなライブに向けての練習、次の仕事を
どこに持って行くかをいつも頭の中では考えている。
そこに大小のアクシデントが起こり揺らいでしまうことがある。
きのうもそんな日。
頭の中で描いたように行かないのは世の常だ、そう思った方がいい。
とはいえ、人はそのアクシデントの傍らで足踏みはしていられない。
いつかはそれを置いて歩いて行かなくてはならない。
そしてその時痛みを柔げてくれるのはそばに居合わせる誰かなのだ。

今ステイ中なのはベルギーからのブライアン。
ベルギー国鉄の車掌で有給休暇をためて3ヶ月の旅行に出た。
我が家で初めてのウーフ。
2日続いたそば落とし作業も楽しんですすんでやってくれて大助かり。
人生のすべてから旅で出会う人のすべてから何かを学ぼうとする強い意志を持っている。

ふだんは車掌の仕事で人々を幸せにすることに喜びを感じている。
でも順風満帆な過去ではなく父親はアルコール依存症で50才で亡くなり働く姿は
見た事がなかったという。薬物依存症で刑務所に入った兄弟もいるという。
痛みを知っているからこその優しさなのだとわかった。

「起こってしまったことは起こってしまったこと。何かをそこから学びさえすれば
いいんだ。どうか自分をを責めないでほしい。」
のっぽのブライアンはそう噛みしめるように言ってまた陽気に歌を歌いながら
そばの束を運ぶのだった。