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札幌のスポーツクラブの小学生達11人が1泊の農場体験キャンプに
やってきた。
きのう昼にマイクロバスからリュックを背に降りて来た子供達は
いきなり鼻をつまんで現れた。
私たちは慣れて感じない近くの牧場の匂いだったらしい。
「おっ、都会の子だ。」と不安がよぎったが5分後には「慣れたー!」と
きてほっとする。

「大切なのは排泄」と、まずは前日トムと作り上げたトイレに案内する。
エスカルゴ状の奥に非常時用の腰掛け式トイレが鎮座している。
灯油ポンプのような蛇腹ポンプがついていてパフパフ押すと2カ所から水が
ピュッピュと出てなんと水洗式なのである。

下のタンクとの間には間仕切り弁がついていて閉じれば匂いが防げる。
1人の男の子が皆の前で「僕やってみる」とズボンに手をかけたので
「ちょっと、あ、あとでやろうね。」という場面も。

こんなに昔の列車並みの近代的なトイレを前にしても子供達の反応は
概ね微妙なものだった。
6年生の女の子もいるし慣れないトイレは自分でもいやだ。

続いて「大の方は家のを使ってね」と我が家のトイレを見てもらう。
一瞬ずつ全員に見てもらう。
「普通だ。」「きれいだ。」一様にほっとした表情で出て来る。

暗くなると野外トイレの中に電灯がともる。
その位置が悪かったのか誰かが座るとその姿が外から影絵のように見えてしまうのである。
夏の終わりの影絵大会。
誰も使ってくれないだろうと思っていたら結構女の子たちが使ってくれた。
作った甲斐があった。

男の子は森のふちで立ちションを始めた。
「それでよし!」
降り立った都会っ子は瞬く間にワイルドに変身して行く。