農場日誌

ひろういの農に生き音楽を作る日々 Since 7th June 2007

November 2022

初めて寒いと思った日

山のようなキャベツをきれいにして袋に詰め小屋の中に
移動した。葉を落とす包丁使いで指が痛む。
午後から今までにない寒さと風が吹き出し、大急ぎで
タイヤ交換。いつもなら雪が降ってからになってしまうので
今年はいいほうだ。
とはいえ、初めて感じた本格的な冬。
今年は十分な薪を用意できなかった。
一段落したら薪のことをしたい。

11月末、野菜を囲います

昨夜は10時までかかって蕎麦の風選別を終え
本日製粉所に持ち込んだ。

休む間もなくキャベツの全収穫と大根の全収穫をする。
明日の雨の後はついにガツンと気温が下がるようなので
全て畑から持ち出すことになった。

さらに残った人参もトレンチに埋めた頃にはとっぷりと
日が暮れた。細い月が劇中の作り物のようにぼんやりとしている。
明日からハウスの中で山のようなキャベツの袋詰めが始まり
小屋の中に運び込むことになる。

じわりじわりと全てを凍らす冬がにじりより野菜は小屋の奥へ
奥へと集まってくる、そんな時期だ。

蕎麦の唐箕がけ始まる

夜9時。
ようやく始まった蕎麦の唐箕がけに区切りをつけ
外に出ると、オリオンが高く立ち昇っていた。

プレアディスは面白い。
直視するよりやや視線をそらすとその形が見えてくる。
地上では情報爆発社会、ストレートに鵜呑みにするのでなく、
やや斜めから見るとよく見えてくるかもしれない。

きのうは来年の種芋を埋めた。
まだ畑に残るのは数百のキャベツ、例年より気温が高いので
しっかり巻くのを待てている。
作業する分には着膨れしなくて済むのでありがたいこの頃。

初めての積雪

きのうのうちに畑に残った大根と白菜を全収穫しておいて
良かった。そしてハウス2棟のビニールも撤去して雪に備えた。

朝には予報通り世界が変わっていた。
今日はこれから外で白菜の袋詰めが待っている。
雪がぼたぼたと重くなって降っている。

外に出るのにいくばくかの勇気がいるようになってきた。

氷の粒がキャベツの上に

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カラマツ防風林の日陰からキャベツ畑に沿って朝日を浴びる
あたりまで歩くとナルニア国から抜け出し南国に
たどり着いたかのようなホッとする変化が楽しめる。

日陰には霜柱が伸び、キャベツの上には水滴がガラス玉のように凍っていて、
日向ではガラス玉が元の揺れる水滴に戻って背中も暖かい。
太陽の力を感じる。

キャベツを取るには一つ一つ指で押して巻き具合を確認して切る。
そのためには私の場合手袋を脱ぐ。
センサーが鈍るからだ。
半ば凍ったびしょ濡れのキャベツで、手も凍るようだけども
指先の感覚で内部の充実度を探るという行為がなぜか好きだ。

今日もママ友さん二人がキャベツリレーを手伝いに来てくれて
ありがたかった。会話ってこうして楽しくいつまでも続けられる
のだなと会話ベタな自分としてはとても勉強になる。
どんなところにも笑いが生まれるし、困ったことや戸惑ったことも
話してしまえば一人で抱え込むより楽になり余裕が生まれる。
友達っていいなと改めて思った。

午後からはひとりの仕事。
こちらは自分の中での会話。
会話上手になりたい。

秋野菜は不作でも

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10kgずつに入れた白菜

今年の白菜は発芽は良好だったのに生育初期が雨が多かったため、
近年例を見ないほどの不作だった。
畑に取りに行って軽トラ2台で済んでしまってこんな楽な白菜取りは
初めてだ。

大根も同じく不作となってしまった。いつもの3分の1というところか。
すべてうまくいくわけがない。
大地の恵みに感謝することはどんな時も忘れずに。
食べ物や水があることがどれほどありがたいことか。

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キャベツとり

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キャベツ収穫は濡れるので即席エプロンを

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キャベツ畑のトワイライト

鹿追町と清水町からママ友さん2人が畑を手伝いに来てくれた。
私の切るキャベツをリレーして通路に出す仕事、ラグビーに似ている(笑)。
2人の尽きることのない会話を聞きながら、時に笑いながらやっていると、
切る方もたんたんと続けられるものだ。
ひとりなら疲れや腰の痛みにすぐ気をとられて山を眺めてみたり
サボることを考えてみたりしてしまうのにね(笑)


ジョー・オダネル写真展 in はれる家・アート庵

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(以下書き起こし)

この老人の長いコートと西洋式の帽子の変わった
服装に目を惹かれ、かたことの日本語で呼びかけると、
思いがけなく完璧な英語が返ってきた。
彼は、はっきりした口調で私に語った。
「私はアメリカに住んで居ました。
日本にいる家族をたずねて来日して居ましたが、
戦争が始まって戻れなくなりました」。

知的で穏やかな人柄に惹かれ、私は彼の言葉に耳を傾けた。

「私は全ての家族と殆どの友人を失いました。
彼らは貴方や私と同じ罪のない者たちでした。
殺される理由は何もなかったのです。
どうしてアメリカはこんなことをしたと思いますか。
私たちは今のこの現実を知っています。
世界中の人々も知っています。
私は貴方を許すことは出来ますが、
忘れるようには言わないでください」。
 
私が彼から離れようとした時、彼は私を呼び止め
「友よ、いつか将来に、今という日は遠い日になるから、
今まわりをよく見て、見えるものをよく覚えておいて下さい」と言った。
私は、この情景も、貴方のことも決して忘れません」と応えた。
そして私は、この時のことを、今も決して忘れてはいない。

(ジョー・オダネルの長崎での写真に添えられた解説より)

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本日人参抜きすべて終了!

お昼に月下さん一人で主催したジョー・オダネル写真展に
ウーファーのようこさんと3人で行ってきました。
たくさんの原爆を落とされた後の長崎の写真が展示されていました。
オダネル氏は当時20代の従軍カメラマンでした。
上にもあるようにそのひとつひとつの写真に添えられているコメントから
ジョー・オダネル氏の人間性の豊かさが伝わってきました。

焼き場に立つ少年の写真
http://leoap11.sakura.ne.jp/iroiro/new/yakibanitatushounen.pdf

昼休みにかわいい訪問者

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森の中のお気に入りブランコ

人参日和だった。風は冷たいけれど静まれば暖かさを感じられる。
後1本半まで迫った。

こどもの純真さにうたれる。最近の遊びはウバユリのカラカラに乾いた
種を飛ばすこと。太陽に躍り出て風に乗ってヒラヒラしながら散らばる。
昔自分のこどもが飛ばした種の子孫でまたその子が遊ぶ。
その種は「うさぎのおかね」と呼ばれてまた伝わっていくのか。
ウバユリよ絶えることなく。

トラックを見送り月の世界

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癒しの猫エムちゃん

綱渡り的に手伝ってくれる人が来てくれてなんとかなってきた
この秋、今日も大型トラックが満載で出て行くのを見守った。
かぼちゃや人参やジャガイモやキャベツや大根が揺られていく。

先週の土曜はセザールと見送った時は三日月が浮かんでいたけれど
1週間経って随分丸くなってきた。
積み込み終わった後ドライバーも私たちもフウと言いながら月を見上げる。

風花降りてくる

急に寒くなり朝から夕方まで時折雪がちらつく。
雲と雲の細い隙間に夕日が見えると巨大な細い目のようだ。
その光線に逆光を浴びた雪はステージの照明さながらにドラマチック。
ついに雪が、今はただ迷惑でしかない雪がやってきた。

昨夜到着した京都からの女性ウーファーに助けられ、
500玉のキャベツを切り、きれいにして袋詰めをした。
この季節ならではの手の冷たさや服やズボンの濡れ具合。
今までが暖かすぎた。これが本来の11月だ。

人参あと4列!

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朝陽の庭はいい色彩

朝外に出ると緩い坂道にカラマツの茶色の葉が波状に残り
夜のうちにかなりの雨があったことをうかがわせた。
ここのところずっと乾いたいい天気だったので珍しい。

今日も鹿追町から友人が新たな人を伴って人参抜きを手伝いに
来てくれた。また上天気となり話も弾む。ありがたい。
どんな話題でも畑で仕事を共にしながらだと何か暖かい。
殺伐としたものの反対側にいるような感じがする。

遠くに見える大雪山では斧の先のように雪で白く輝いている。
午後はひとり人参抜き、疲れてしまい帰って箱詰めをすることにした。
あと4本、ほっとしたのもある。

空の青と黄金のカラマツの針が降る

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秋は季節の中で一番美しいと思う。
そう言ったあとでほかの季節を思い浮かべるのだけれど、
やっぱりこの色彩の豊かさと空のその時々の色との対比は
ほかに比べようもない。

きのうセザールは休日で月下さんが迎えに来てくれて
鹿追町のはれる家でダシのとり方の秘伝を教えてもらいに。
月下さんは海外でたくさんお世話になってきたから
少しでも恩返しできたらと考えているようだ。

久々にひとりで人参1本半を抜いた。
頑張ってもひとりでできる量は本当にわずかだ。
そして筋肉痛にこわばっている。

土日には帯広畜産大学の学生(そば落としにも来てくれた10代女性)
がまたも手伝いに来てくれてじゃが芋クリーニングや翌日の人参抜きでは
過去最高の6本半も抜くことができた。

季節の美しさと人のありがたさが胸に染み込んでくるこの頃だ。

さて、約1ヶ月ともに暮らしたセザールは今日次の旅に出る。
お互いにすっかり家族のような感覚になっている。
様々な思い出を胸にそれぞれの人生で最善を尽くそう。
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