農場日誌

ひろういの農に生き音楽を作る日々 Since 7th June 2007

May 2021

かぼちゃ定植

IMG_20210526_184828


何日かの雨が上がり青空と共に強風がやってきた。
強風だとエゾハルゼミも鳥もあまり鳴かない。
かぼちゃの定植を1日。
雨が山に残っていた残雪を溶かしたのか日高山脈も
大雪山も夏の山の風情だ。
日もだいぶ長くなってきた。
いよいよ6月に入る。忙しくなるぞ。よーし

6月19日ライブの告知です

Image 2021-05-30 at 21.24




皆既月食は予兆?

IMG_20210526_185912

午後七時の皆既月食のはじまり

これを書いている今窓を見やれば、月食が明けて鮮やかな月面が
出てきた。赤黒いようなダークな月はやはりミステリアスで少し
不気味、古代の人はきっと様々な予兆と捉えただろう。
予兆といえばついに朝日新聞が社説でオリンピックの強行開催に
異を唱えた。読んでみるとすごく真っ当な意見だった。
何か腑に落ちない、そう感じている人がたくさんいるのに
納得できる説明がどこからもない。
皆既月食と重なったこの社説は予兆であると思いたい。
とてもオリンピックの気分じゃないもの。

トラクターで走り回った1日。
午前あんなに満開でタンポポ畑かと思った牧草地が
夕方にはつぼんで姿を消したように見えてこんなに
風景が変わるのかと驚いたしだい。
風光る季節。

カラマツの下で

IMG_20210525_112649


カラマツの枝がしなるように上に向かい
そこから細かな枝についた葉が房となり
垂れ下がる、その力を入れるところと
力を抜いたところの混在する姿がなんとも
美しい。風が吹けばゆらりと枝を大きくたわませながら、
葉の房を七夕飾りのようにサラサラ小刻みに揺らす。

住み始めた最初の頃はよくわからなかった
カラマツの優雅なところが年をとるほどに感じられるようになった。
地元にはカラマツ専門の製材工場があるし
今まで大工仕事で随分使わせてもらって
本当にありがたい樹木だ。
大風からも守ってくれるし、すっくと立つ姿は神々しいほどだ。

今日はトウモロコシ3回目を蒔いた。途中黒雲に覆われ
雷鳴と雨で中断。夕方には明日の皆既月食を控えた丸い月が現れた。

かぼちゃマルチング

IMG_20210524_181003


ポリマルチを張るとほぼ同時に鹿よけの電気柵を
畑の周囲に設置する。冬の間は自由に往来できたけれど、
それも今日まで。

「わしらのランドに奴らは勝手にラインを引き、
おまけに電気ショックときたもんだ。迷惑な奴等だ
人間という種族は。」鹿の声

日常が野生生物と接する生活をしていると、
生きていくのはつくづく闘いだと思う。
やはり「整理」していかなければ生きられない。
この辺りの昔の農家は家族をクマから守るために
鉄砲を持つ人もざらにいたそうだ。
動物たちも人も生きていかなければならない。
我が家もかぼちゃを踏み荒らされたら困るのだ。

時々うっかり電気柵に触れてドーンとショックを
受けることがある。ああ、気をつけよう。

プラウ終了!

IMG_20210523_100104


雲の厚い1日、夕方には雨さえ降ってきた。
プラウ(耕起作業)を一通り終了。ちょっとした作業で
エンジンを止めるとタンポポやハコベの花に気がつく。
ハコベの小さな花は10片の花びらがあった。
タンポポを鼻につけると菊の匂いに似ている。
ちぎると茎から白い液体が出てくる。まるで
ミルクのように綿毛の子供を育てるんだな。
小さな草にも理由があって機能と形があることに感じ入る。
風や雨や太陽がそういう形にしたのかと思うと
どちらが主体なのかわからなくなってくる。
生命というものは不思議なもの。

再びエンジンをスタートしそれらの草をうないこんでいく。
一面黒々と光る土の腹だけの世界へと変わる。
雑草たちは見えないところで逆立ちしてる。

有機認証検査日 色について

IMG_20210521_180439

隣の牧場のマスコット山羊 みつ君

有機認証の実地検査の日。
圃場や作業小屋の確認と書類が適正に記録されているか
を検査員が細かく確認していく。
2001年から参加した認証取得なので早いもので20年。
政府の中では輸出のために有機農業を進めようとする考えも
あると聞くが、そうではなく国内の自給率を高め農薬大国と
いう汚名を返上するために力を注いで欲しいと思う。
食べ物は人の生命活動を支える大事なものであるから。

午後から雨、半端になった時間は最近はペンキ塗りに当てている。
絵は描かないが気がつけば今まで屋根のペンキ塗りも随分やってきて
最近は家の壁も塗り出すと面白くなってきて絵を描いているような
感覚になっている。木々がもう少し緑濃くなった時にはこの色は
どう映えるかとか風景の中の絵に筆を入れていく楽しさというか。
自分で配合して色を作ったりして寝ている時もどんな色が合うか
考えてしまう。塗ったら遠くから眺めてみたりなんども見て
しっくりこなければまた塗り直したりもする。
色は気になる。実はよく使うブルーシートも好きではないので
あまり視界に入らないところで使ったりする。
色が心に与える影響は少なくないと思う。
街並みでも色彩を意識した街とそうでない街並みでは心の落ち着き方も
全然違う。そんなことを思いながら絵筆を少しずつ運んでみたい。

夕方小雨の中をジーコと散歩。
灰色の雲に薄い穴が開き青空が透けて見えた。
色の穴と名付けた。

種まきの1日

IMG_20210520_184844


種まきの1日。
かぼちゃを1300とトウモロコシ400。
しゃがんで作業しているといろんな発見がある。
新しいもの二つはエゾハルゼミとカッコウの初鳴き。
畑の上にはスモモの花が流れて落ちてきて
カラマツ林の中から天然リバーブのカラスの声が響く。
足も腰も痛くなる頃知らぬ間に影が伸びている。
暖かな春の1日はお祭りみたいなものだ。

夕方の開かれた秘密

IMG_20210518_190059


陽が沈みほのかに色づいた空も色あせ闇に消えなんとする
まさに数十秒前に鮮やかな夕焼けとなり燃え上がる。
新緑の初々しいミズキやカラマツの葉はまだ空間を
残してくれているので空が明るく透ける季節でもある。
仕事を終え夕方の散歩では面白いほど植物が展開して
いるのに気づく。ふきのとうは1メートルものヤグラを立て
白い綿毛を飛ばし、蕗はもう直径30cmにもなった。
緊急事態宣言の中、軒並み観光地はだめだけれども
北海道は今一番いい季節。身近な自然に目を向ければ
心も落ち着いてくるはず。

スモモの花が香る下で

P5034239

我が家の庭にやってくる鹿はチューリップも食べてしまいます

桜が散った後は追いかけるようにして
スモモの白い小さな花びらが庭に点描を広げます。
その上に雨が降り地面にくっつき風情を感じます。

15日には今年最初のトウモロコシを蒔きました。
害獣対策も早めにやっていくつもりです。
茹で上がる時の香りを想像しながら・・・
甘さだけを追求した柔らかいトウモロコシは売る方から
すれば都合好しですが最後まで好きになれずに
ピーターコーンに戻しました。
これから6月10日頃まで5回くらいに分けて
蒔いていきます。


家周りの諸々

IMG_20210512_144522

猫のエムはお気に入りの昼寝場所を見つけたようで。

薔薇色でもない青でもないうっすらと
モノクロに色がついたような雲がホワホワと
布団綿のような腹を見せている。
仕事を終えてジーコの散歩、100mほど向こうの
牧草地に鹿と狐を見たものだから飛び出したくて抑えるのに必死。

今日の仕事といえば息子が横浜から来ていたので使うのは今だとばかりに
斜面に転がる丸太の輪切りを力を借りて上まで上げた。
そのうちひとつがゴロゴロと転げ落ち下の方で止まった。
落ちる様はなかなか愉快で絵本で見たリンゴかおにぎりかを
思い出した。
 そうこうして時間が半端になったので、家の残り1面の
防腐剤塗りに専念することとし、暗くなる前に全部完了した。
オリジナルカラーは明るい茶色だったが今はダークブラウン
になった。四隅ははっきりした緑でアクセントに。

夕刻には外にいたい

IMG_20210511_183133

庭のチシマザクラが満開、夕方のサホロ岳を背にして。

夕刻から暗くなるまでの足早に変化する風景の時間帯には
できるだけ外にいたいと思う。グイグイ引っ張る落ち着きのない
犬と大概いるのだが・・・
晴れた日は夕日が山の端に沈んだあとに照らされる雲や山の色合いが
すぐに変わっていってしまうので一番好きな色を胸に取り込もう
とする。

全てが肯定されるようなシンプルな世界。
遠くのものも近くのものも等しくなる魔法の時間を大切にしよう。
そうなればハアハアいう犬も美しい雲もそう変わらない。
壮大な絵の中の要素になる。人もまた。

次のライブ予定

173980419_104761698409990_8822896662238209708_n


6月19日(土)緑あふれる新内ホールにて出演します。

雨のち桃色

IMG_20210508_180633


桃色の夕方 風寒し
救わねばならぬのは美しき希望

4の畑プラウ耕終了、午後は雨がぱらつき
春先に倒した大木の輪切りにチェーンソーで格闘。
やっと腕を回せるほどの太さはなかなか手強い。
雨が上がってスイートコーン畑の準備をする。
今年こそは2年続きの病害や獣害を脱したい。

夕方にごく短いあいだ西日を受けた東の空が桃色に染まった。
コロナも含めて予期せぬことが起こる世の中であっても
埋もれさせてはいけないものは希望。

イモ植え終了!

2194


5月7日、春の温かな日差しの中で今年のジャガイモ植えが
滞りなく完了しました。乗ってくれた4人に感謝です。
今日は畑の石拾いのあと農道の穴ポコにその石を敷きました。
そのあとで安心して畑をトラクターで耕しました。
すると、また石が出てくるわけだけれどもそれはまた来年。
毎年の繰り返しですがヨーロッパの畑の石の垣根を思います。
何百年にわたる農民の石拾いのたゆみない努力の結果を。

小さな手に

IMG_20210505_103859-2


早起きしすぎて10時くらいに早い昼寝となった子の
小さな手。玩具を持つ時の繊細な指の動きもすごいけれど、
眠っている時の指も小さいながら精巧に完成されていて
思わず見入ってしまう。
突然ピクッと動いたり何かに驚いた時のように腕を急に
広げてみたりは単なる筋肉の反射かそれとも夢を見ている
のか。自分のとは違い透き通るようなきれいさだ。

今日はこどもの日。朝のニュースで15歳以下の人口は
わずか1割ちょっとだと聞いた。それがこの国の未来に
どう影響するのか自分にはわからない。
けれども子どもを大事に育てていかなければいけないことは
はっきりしている。数の多い少ないも確かに問題だけれど
ヒトの手というものが幾多の不毛な争いを越えて作り上げてきた
文化、とりわけペンの力をどう子どもたちに手渡していけるかを
考えることの方が大事だと思う。

手という器官をしげしげと眺めてその機能に感謝してもしきれないの
だけれども同時に恐ろしいことにも使われてしまうのもまた手だ。
これだけ完璧な美しさと機能を持った手自身が喜ぶような
そんな使い方をできたら未来は明るいと思う。
小さな指を目でなぞる。

野の花と桜が満開

IMG_20210504_144417

オオバナノエンレイソウの群落と桜、遠くに桜の咲く新得山が見えます

畑の準備をしながら住宅のメンテナンスを急いで終わらそうとしているところ。
20年以上も経てば換気扇も寿命を迎えたりドアの閉まりが悪くなったり
ペンキ塗りが必要になったりを農作業が本格化する前の駆け込みだ。
ホームセンターに行けばなんと下界は桜の花盛りだこと。
私たちの住む高台ではまだこれからというところ。
思わず見とれ感慨に耽る。
桜は散るのも早いからよけい愛おしく感じるのかもしれない。

地域の人のお通夜にて

きのう同じ地域の顔見知りの人のお通夜
に行ってきた。冷たい雨が車の窓を叩く。
長く生きれば生きるだけ顔見知りの
死に向き会うことが増えて行く。
地域のお葬式に一緒にお手伝いした人も
いつか送られる側となり係から消えていく。
そんな葬儀の場では遺族の悲痛な気持ちも
いかほどかと。かといって何もできずに
目を見て深々と頭を下げるしかできない。

でも人は必ず死ぬ。そしてその最後がどんなものか、
いつなのかもまったく予測できない。
最後がどんなものであったにしても、
それをもってその人を憐れむのは間違いであるような
気がする。その人には笑顔があり、充実した時間も
相当あったはずでありそれも含めた一生だったと
思う。つまり人生は把握できないほどの広がりを
もつものであるから悲痛な最後だけを持ってその人の
人生を見ることはしないことだと。
自分の父も晩年はアルコール依存症や認知症などから
大変な迷惑をかける存在となって惨めに見えたけれど、
亡くなり何年か経つと若々しく頭の回転も速い朗らかな
父のことを思い出すようになってきた。

どんな人にも青葉の麦畑のように生き生きと風に波打つような
時間があった。そう思うとその人の笑顔は真っ先に思い出される
ものとなり、それが人の尊厳というものではないかと思った。
今日は雨が上がりスモモの細かな新緑が光りながら
風に揺れている。その方のいなくなったこの台地にも日常が
戻っていきます。どうか天上から見守っていてください。
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

最新コメント
月別アーカイブ
  • ライブドアブログ