農場日誌

ひろういの農に生き音楽を作る日々 Since 7th June 2007

November 2013

白菜をむきながら



気温0℃の中の白菜出荷準備。
青い空はどんな地上の色ともよく合う。
足が冷たくなり手が痛くなる。
汚れた外葉をきれいになるまで剥くと
ピュアーなうすい緑と白がお日様のもとにさらされる。
光の粒の見えるようななだらかな丘陵。
膝の下に雪がキシキシいって
白菜達は透明なビニール袋におさまっていく。

きのうは帯広で農業のセミナーに参加。
TPPの行方に不安を感じているであろう多くの十勝の農業関係者が熱心に
農業普及員などの研究報告に耳を傾けた。

おもに野菜の育苗時の炭の使い方とジャガイモそうか病を軽減させるイネ科の混植の実験結果について。
来年の農業のために何か応用出来るかと考え中。

鍵は土の中の微生物の多様性。そこに多くの研究員や普及員も注目している。
多様性を利用して必要なものを育てて行く。
農業は本来そういうものだったし、だからこそ奥が深く面白いのだ。

ただでさえEUなどと比べて遺伝子組み換え作物の輸入に甘い日本がTPPによって
表示義務が取り払われれば組み換えのコーンや大豆がどっと入ってくると言われている。
遺伝子組み換えは近視眼的であり一方これらの技術は昔からある技術でそのまなざしの先には
必然的に森や、ひろい環境も入っている。
まわりを生かすことによって自分も生きる、そういうやり方のほうがはるかに健全だと思う。





ことばに耳をすませば

まあ疲れもする。

自分が不勉強で世の中わからないことだらけだが、
政治のことで今までこういう方向に行ってほしいと思ったことは、
ことごとく反対のほうへ決められるのが常だった。

原発しかり、TPPしかり、戦争に関することもそうだった。
上空に流れ込む寒気が目に見えないように
大きな金の流れが世の中をなぎ倒しながら流れ、政治は
それをくいとめるどころか先導していたりする。

もうそれはどうにもならないので、
ムズカシソウなことは考えないで余生をソバ打ちでもおぼえて
楽しもうというような人にもまたなれない(笑)

となればやはり自分でできることをするしかないではないかと来て、
そういえば不断の努力ということばが日本国憲法にあったなと思い出した。




【日本国憲法第12条】

現行憲法:この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力よつて、これを保持しなければならない。
又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。



自民党案: この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。
国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。




現行憲法、いい文章だなと思う。
憲法がこんな私にも自由と権利を保障してくれている。
でも、それには同時に義務も発生することもちゃんと謳っている。
心を静めて読めば人生の訓話のようにも聞こえて来る。

次に自民党改憲案を見るとその違いが如実に見えて来る。
どうしてここをこう変えたいのか、ははんなるほどね。
秘密保護法の強行採決のわけもわかってくる。

この改憲案は私に学校時代の嫌いな教師に説教をされた時のことを思い起こさせる。
「まわりに迷惑をかけるな」が最優先の生活指導教師からの。

もう少し比べてみると「保持しなければならない。」のほうが「保持されなければならない。」より能動的に響く。
現行のほうがより自主を促しているように感じる。
DOが強調されるので心地好ささえ感じる。同時に強い責任も。
そこには支配されるより自主的に住み良い社会を作ろうという気概さえ感じられる。

ことばって使い方一つで力学をも微妙に変えていってしまう。
だから怖いし、使い方を誤らないように気をつけなければと思う。
日常会話においても憲法のようなものにおいても。

主権者は国民であるんだから、
だから不断の努力は自分がするしかないよ。
そう現行憲法12条は国民に向かってささやいている。
そうしなければたちまち権力は暴走し自由と権利はあなたの手から離れていってしまうよと
警告しながら。

その指し示す指先の方角を信じて歩いていきたい。
これからもいろいろあるだろうけどあきらめるのは
死んだ後にしよう。

秘密保護法衆院可決で考えたこと。

大工は楽し

日高山脈はうっすらもやり
雲のはじにうっすら虹色が光る。

この10日間あまりシバれることもなく仕事も楽だった。
キャベツと大根も一通り収穫を終え、
いよいよあとは出荷作業を残すのみになった。
ようやく冬の準備にかかれる。

そして中断していた大工仕事も合間に始められる。
まずは納屋の片付けそして補修、材木はなるべく地元産の
唐松を使いたい。
グローバリゼーションよりローカリゼーション。
でもね、本当はあの素朴な質感の板張りが好きなんだ。
カンナもかけずに鎧ばり、うちは住宅も納屋もいたるところこの張り方だ。

重い腰をあげて春から始まった一連の大工はなかなか楽しい。
この感覚があるうちにさあ再開だ!
情熱が冷めぬ間に(笑)

やっぱりのうです

しどろもどろ、ウソが次々ばれる漫画のような東京都知事のニュースの影で
やはり忘れちゃいけない事がある。

秘密法案の怖い所は拡大解釈が可能であることや、内部告発という組織の
自浄の機会を奪うこと、何が秘密か秘密になってしまうことだと言われている。
それがスイスのジュネーブにある国連人権高等弁務官事務所からも指摘されていた。
こんなことはテレビのニュースでは流れない。
やがてはネットでも流れなくなるかもしれない。

こんな法案なくたって国の放射能拡散予測(SPEEDI)は秘密にされていた。
国民のいのちに関わることがさらに知らされないようになるなんて許せない。

それらを見通しての国連からの声明だと思う。
あらためて時期尚早、廃案にすべし!


秘密法案に国連人権高等弁務官事務所懸念 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131122/k10013278041000.html

キャベツよくぞがんばった!



今朝6時半ころ、朝陽が昇ります。

きのうはイモ選り、そばのとうみがけ、キャベツ収穫でてんてこ舞い。
褒めてあげたいのはキャベツ。
破れ傘のような外葉で一度は誰もが全滅とあきらめていた。
小さなヨトウムシの大発生、今までない事だった。
ところがヨトウが消えたころ、内側からもりもりと結球し始め、
まともな玉もちらほら、小ぶりは小ぶりでも堅いキャベツとなった。

人間が勝手にだめだろうと思ってもそのようにはならないことも
自然界にはたくさんある。
生命力って不思議でそしてすごい。

そばの調整をしながら

きのうの小春日和には風でごみを飛ばす機械(とうみ)でソバの調整を始めた。
ごみが吹き飛んでどんどん純度が増してきれいになっていく。
もちろん1回ではきれいにならず最低3回は通していく。

先人達が苦労して勝ち取って来た自由が今また危機に瀕しているのを感じる。
特定秘密保護法案には反対です。
ごみを吹き飛ばす「とうみの風」は、
主権を持っているのは私たち国民なのだと
自覚することによってしか吹いてはこないのでは。

このままでは吹き飛ばされるのは私たちで
風を起こすのは米国や多国籍企業となりかねない。

朝のニュースでの「TPPの米国の強硬姿勢」や「秘密保護法今週衆院通過か」に不安といらだちを覚えました。
そばのゴミを飛ばすようにはいきませんが、
必要なものとそうでないものを見抜く力だけは持っていたいと思います。

作業しながら見送った夕陽は赤く素敵だった。
今日は雨だけど続きを小屋の中から始めます。

快眠快食快便だ断酒228日目
原発停止から早2ヶ月断原発0日目


小春日和と出荷



「どうせ食べられるなら最後まで二人でいっしょにいよう。」そう二つの人参が決意したのかどうかは知らない。
・・・うう困った、切り離せずにいます(笑)

今日もたくさんの野菜がトラックに載って出て行った。
準備作業するのにも小春日和で助かりました。
人参、かぼちゃ、白菜、キャベツ、じゃがいも
みんないとしい子ども達のようなもの。
太陽と水と大地の化身です。

人参、世界の果てに到達!



長い道のりだったけれど今日ついに人参抜きを最後の1本まで終えた。
霜柱がニュウと伸び凍った土のふたをはがしながら行った。
歩いて歩いてこの先はないという世界の果てにようやくたどりついたような感慨。
「ありがとうございました!」と畑にあいさつをする連れ合い。

少しずつ畑が片付いて行く。
鹿と雪に畑を明け渡すまでもう少し、もう少し。

依存の果てに始まった新世界は断酒から。223日目
ほらあの人も言っている新世界は断原発から。0日目

行ったり来たりの11月

今年のカボチャはうまい、特に!
人参もうまいしイモもうまい。(注文まだ受け付けています)

微妙な時期、大根やキャベツはどこまで太れるか、シバレのリスクを勘案しながら
ギリギリまで置きたい。
きのうはタイヤ交換を済ませた。
小春日和がいつまた真冬になるかわからない。
0℃を行ったり来たりの落ち着かない季節、それが11月。
固まってみたり緩んでみたりの落ち着かない地面、それが11月。
畑に行ったり小屋に行ったりの落ち着かない足、それが11月。
早く抜けたや11月。



冬のはじまり

ゆうべの風は恐ろしかった。
木々がゴウゴウとうなり薄明かりにそろってしなる。
今日も風は残りその中で白菜の葉をきれいなところまで
むいていると手がちぎれそうに痛くなる。
おだやかで暖かな日がどれだけ恵まれていたかを
あらためて思う一日。
暖かいストーブのそばにゴロンと寝そべる日までもうひとがんばり。


いとしの白菜くん

白菜収穫。
これから雨が降ればなかなか畑は乾かないだろうということで
トラックが入れる今のうちに。
暖かくなぜか道ばたにタンポポが咲いている。

白菜の頭を抑えるとどれだけ巻いているかわかりそのままやや傾け
包丁を入れる。
そのときの音がなかなか快感なのだ。
バクッいうか何と言うか、割れながら切れるのである。
時代劇で人が斬られる時の音は白菜を切って出したという話が頷ける。
いったい何体斬り捨てた事か、いや拾い集めましたとも(笑)
音も快感だけどそれを3人のリレーで荷台いっぱいにする躍動感もたまらない。
5台分切っては運び、切っては運び夕方には1反の畑をほぼ終えた。
鮮烈な白とフレッシュなグリーンのコントラストが庭先に整列している。
筋肉痛に関節痛、それでも心地好い疲れで日が暮れる。

狩勝峠から



あまりに暖かいのでウーファーと狩勝峠まで行って来た。
展望台に立って双眼鏡でのぞくと我が家は秋の色に燃える唐松や雑木の
すき間にはさまるようにしてわずかに赤い屋根を見せている。
秋はきっと誰もが好きな色。
冬に向かう前に一度だけ見せるはなやかな色。
短いが故に人は人生の感慨と結びつけたくなる。
こんなふうに豊かであれたら。

たまには報われる



人参抜き終盤戦、残すところ100mのウネが8本となった。
天気に味方されポッコリ抜いて並べ置けば土が乾ききれいに落ちる。
雨の後ではこうはいかない、こびりついて後々たいへん。

後半さらに腐れが少なくなりお肌スベスベの良質な人参。
良家に嫁ぐお嫁さんのようだ。

まあ、数年に一度の人参の豊作なのでウンと喜んでおこう。

去年キャベツのことで「私たちの努力はいつも報われるとは限らない。」
などと書いていたけど、
今年は「私たちの努力は(たまには)報われることもある。」と書いてみよう。

ああいいな。ポカポカするし人参はきれいだ。
ささやかな幸せ。

ささやかな幸せ   断酒212日目
ささやかな幸せのため断原発 0日目

時は海だが岸までだ



民主党までもが原発のことで天皇に手紙を渡した山本太郎議員を批判しているニュースを見て
思わず「ファック!」と言ってしまった。
本気で日本の未来を考えての行動だと思う。僕は応援しています。(きっぱり)

さて、今日もカボチャ磨いたり大根抜いたり人参抜いたりの猛ダッシュです。
あと2週間はこの猛ダッシュと夜作業は続きます。
大丈夫、今の自分はチオビタがなくても断酒でためたエネルギーでがんばれます(笑)

二日酔い知らず断酒210日目
星に願いを断原発   0日目


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