農場日誌

ひろういの農に生き音楽を作る日々 Since 7th June 2007

February 2013

沖縄コンサートツアー



今年の沖縄コンサートツアーの予定です。
どんな新しい出会いがあるのかとても楽しみです。

「本当のこと」を伝えない日本の新聞



「本当のこと」を伝えない日本の新聞 双葉新書刊 を最近珍しくいっきに読んだ。

著者はニューヨークタイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏で日本取材歴12年の日本通のアメリカ人。
日本人が好きということが伝わって来る。
だからこそ3.11以降前にも増して顕著になった日本のジャーナリズムの
陥っている異常さに危機感をいだいてこの本を書くに至った。

ひとつの例として東電福島原発事故直後からSPEEDIの存在を知っていた記者たちがいたにもかかわらず、
政府が発表しないことに対して追求しなかったことを挙げる。

実は地震の影響で不具合はあったにせよ、
事故当初から仮のデータを使ってSPEEDIにより試算は行われ放射性物質が飛んで行く方向は予測されていた。

米軍には外務省を通じて3月14日にデータが提供されていたにもかかわらず、日本国民にはそれらが示されなかった。
本来なら新聞社は国からすぐに公表されないことを不審に思い紙面で訴えなければならなかったのではと述べる。

5月2日になって細野豪志首相補佐官が試算結果の未公表について
「国民がパニックになることを懸念した」と政府の本音を口にしたそうだが・・・。
では何のために巨額を投じてSPEEDIを用意したのか?

もしジャーナリズムが国民の側に立っていたならもっと早くからデータを国民に開示させて
無用な被曝をさけることもできたかと思うと、あらためて報道の質と力の重要性を再認識する。

世界でもめずらしい「記者クラブ」という存在も政府からの伝達機関となりやすく、
新聞、テレビ、通信社などの主要メディアの記者たちが所属し海外メディアやフリーランスの記者は
所属できないので政府の記者会見場に入れず独自に取材するのだという。

そのため主要メディアはどこも横並び的な内容になるのだという。
著者は記者クラブとは何かを正確に理解している日本人は少ないのではないかと述べている。

TPPや原発や改憲などのとりわけ重要な問題に登場する世論調査は
きっと横並び的にマスメディアが伝えているのだろうが、あの円グラフによって
この多数意見に弱い日本人の国民性に与える影響を考える時、ついため息が出てしまう。
私は今まで見て来た円グラフのほとんどに「えー?なんでそうなるの」と驚いてきた万年少数派だ。

私自身いまだ良くわからないのに7割もの人がTPPに賛成のアンケート結果だったりするが、
そんなにたくさんの人がTPPについて勉強し理解しているとはとても思えない。
憲法についても然り。

不思議な事は多々あれど、何はともあれ「記者クラブ」この存在は理解しておいたほうがいい。
若い気概にあふれる記者もこの日本独特のシステムによって情熱をそがれることがないように願う。
いや、むしろ報道の公平性を保つためにも記者クラブは解体されるべきだと思う。

ジャーナリズムの重要性、それは先の戦争で開戦のためにあるいは大本営発表で果たしたマスコミ
の役割をみれば明らかなように、
あまりに高い割には意外と私たちは見落としてしまっているのではないか。

そんなことを喚起させてくれた一冊。

変わらなくちゃね、日本も。

東京観光



生まれ変わった東京駅!



東京駅を出て日比谷通りを歩く。お堀に白鳥が優雅に1羽泳ぐ。有楽町までの道は歩く人はまばら。

東京も新陳代謝していてずいぶん奇麗におしゃれになったもんだ。雑然としたものが懐かしい。


はじめての官邸前デモ



2月15日金曜日6時から8時までの首相官邸前抗議行動に初めて参加した。
そこでザマーズ見つけた!(ザマーズとは新得の空想の森映画祭でつけられた座間から
毎年やってくる彼女達につけられた愛称)
毎週官邸前には行っていると聞いていたのでこちらは「あ、やっぱりいた」という
感じだったが彼女達はびっくり。
春に沖縄に僕がライブツアーに行くというと「行く行く、行きます」と即答。
その行動力と愛と平和に向かうパワーは全開なのだ。沖縄の問題も彼女達の射程内だからだ。

寒かった。
雨上がりの首相官邸の上空ににじみながら浮かぶ半月に近づいた三日月。
ドラム隊のリズムに合わせて「大間つくるな 原発いらない さっさとやめろ 子どもを守れ
再稼働はんたい 大飯をとめろ」と元気な若い女性やだみ声のおじさんのリードで
集まった数百人が声をあげる。

そしてスピーチが始まる。福島みずほ氏もすみやかに廃炉に舵をきるように切々と訴える。
岩手の山の中でハンバーグを製造している青年は基準値以下ではあるが肉からセシウムが検出されていて
それを表示して売っているが農家の人からは叱られるがそれでもやめることはできない。
どうかその気持ちの事を考えてくれと半泣きで官邸に向かって訴えていた。

そしてまたリズムとコールが始まる。
このようにスピーチとコールをサンドイッチ状にはさんでいるのは行ってみて初めてわかったこと。
その長さのバランス感覚がとてもいいと思った。
また、歩道の規制線で仕切られた半分の狭い中が抗議行動に許された範囲であることもちょっとした
驚き。もう少し広いのかと思っていた。

僕も北海道から持って来た「原発?いらねーぜ!」のプラカードを高く掲げ寒さに震えながら
少しずつ最前線ににじり寄って行った。
警察官が数メートルおきに立っているがいやな威圧感は感じなかった。
車椅子で抗議に参加していた人がものを落とした時若い警官がサーッと来て拾ってあげようと
していたりして暖かいものを感じた。
このような信頼関係を作り上げたのも首都圏反原発連合の我々の知らないところでの
忍耐強い努力があるのではと想像する。

最後は代表のミサオ・レッドウルフさんのコールでしめくくられた。
いや、ロックだ。黒っぽい服装に白い大きなマスク、長身で長い髪、
声をふりしぼって官邸に向かって抗議する。
政権が変わろうが変わるまいが、
未来に責任を持たずに経済でつき進むすべての鈍感さにも向かって。

何もしないではいられない、そんな気持ちはどんな小さなアクションでも起こそうとする
人達に共通のものであるはずだ。
このデモを主催してきた彼女達にしてもたまたま自分たちに出来る事をしたら
こうなったということだろう。

それはいくつもの出会いと重なり昨年は主催者発表20万人もの抗議行動となった。
盛り下がったといわれているがそれはどうかわからない。
今でも原発事故は収束していないとは首相も認めたところであるからだ。

地道な努力をしたうえでのロックな自由な表現、
そんなミサオさんたちのやり方を僕は支持する。
反対ばかりしていても何も変わらないという批判もあたらない。
それはそれぞれに与えられた役割があるということ。
優先順位はその人が判断すればいい。

コールに合わせて体を揺すっていると少し暖かくなって来た。
8時となり抗議行動は終了しミサオさんもパンクロッカーから普通の人に変わり
丁寧で適切に集まった人の労をねぎらい次の3月10日のデモの告知をする。

ここまでいっしょにつき合ってくれた東京で働く友達と二人
国会議事堂前の地下鉄へと潜っていくと暖かくなりほっとすると同時に
多くの刺激、共感を感じられたこの夜に参加できたことに感謝の気持ちが
わき上がってきたのだった。



抗議活動を終えて3月10日の原発ゼロ大行動のチラシといっしょに手渡された
NO NUKES MAGAZINE というリーフレットはきれいで、かわいいイラストがふんだん
に使われていて多くの人に抵抗なく読んでもらえそうなミニ冊子。

カンパによって送ってもらえそうです☆
詳しくは以下のサイトから。

http://coalitionagainstnukes.jp/?p=2551

メディア報道について / 光の柱夜空に立つ

昨日は帯広で開かれた十勝キリスト者平和の会主催の
「思想と信教の自由を考える2・11平和集会」に参加してきました。
いのちのことば社で編集の仕事をしている方を講師として迎え
「メディア報道について」というテーマでのお話を聞いて来ました。
いかにメディアというものが私達の暮らしに大きな影響を与えているかを痛感する
毎日ですがさらに知識が深まったような気がします。
原発しかり、戦争しかり、教育問題しかり。本当に伝えてほしいことはなかなか伝えず
大企業や政府に都合のいいことが流されることが多いと感じていました。

最後にわたしたちに出来る事を話してくれたことが印象に残りました。

1、リテラシーの力をつけること。
2、新聞社やテレビ局に対して記事と番組に意見を述べること。
  特に良い記事や番組には「とても良かった」と伝えること。
  良心的な記者や番組担当者はいるので、その人たちを支えることはとても励みになる。
  (それは私達がやさい美味しかったとお客さんから伝えられるとまたがんばろうという気になるのと同じです。)
3、たしかな情報源を得ること。けれども、それを鵜呑みにしてはいけない。

そうですね。批判ばかりしても何も変わりません。
特に2は今までしてこなかったように思います。
たとえば北海道新聞にも素晴らしい記事を書く記者さんがいます。
たとえばNHKでも(特にETV)たまに踏み込んだドキュメントが流れることもあります。
今度から電話でそれを伝えてみようかと思っています。

貴重なお話をありがとうございました。




光の柱夜空に立つ



きのう寝る前のウォーキング、月はなく星がきれい。
ひらひら飛んで来る雪で目が痛いのでゴーグルをしているのだけれど
はじめはゴーグルのレンズの傷が光るのだろうと思っていたら
はずして裸眼で見てみると光の柱が数本空に向かって垂直に立っていた!

佐幌岳の手前や狩勝峠の麓あたりから雲で消えるまでまっすぐ突き出た光。
その雲の上にはUFOの母船でもいるのかと子どもじみた想像を一瞬働かせながらも、
よく見るとほかの場所にも薄くではあるがいくつもの柱が立ちしばしそのパノラマに見入った。

ストーブの傍らに猫のように丸まって眠っていた連れを起こしに行った。
あとで連れが調べるとそれは「光柱現象」というのだそう。
地表近くに浮かぶ雪の結晶に光(地上の街灯など)が屈折して見えるという、
極寒地に起こるとても珍しい現象だったらしい。
以前新得町北極圏という住所で友人から便りが届いたことがあるが(笑)
その北極圏なみの地に住む幸せを感じさせてもらった夜だった。

参考サイト
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2009022003

よれずに歩ける断酒320日目
ぶれずに未来へ断原発 0日目

この冬一番の



2日前の朝は驚くほど穏やかで夜の間に積もった雪がまわりをこの冬一番の景色へと変えてくれました。
犬のコジロウも嬉しいらしく泳いで海を渡るかのようでした。



太陽礼讃



しかし・・その後間もなくにわかに枝の雪が風でサラサラと落ち始め、
さらに今度は急激に風が強くなりもの凄い吹雪へと変わっていきました。

折れるのではないかとしなるカシワやマツを眺めながらなんと柔軟なのかと感心しつつも
小屋は大丈夫かと轟音にビビりながら一夜を明かし、さて翌朝。
ドッヒャーーン!!

トラックが吹きだまりに飲み込まれた!
おーう、放っておけば人工物なんぞ自然に飲み込まれるものなのねぇ。
風がまだビュンビュンなのでそんな呑気なことも言ってられず外へ飛び出した。

そしてスコップで掘り起こし脱出させたころ、お隣の大牧場の社長が
道をタイヤショベルで空けに来てくれたのが見えた。
吹きだまりが半端でないのでなかなか進まない、
今度は応援のショベルまで来てくれて、2台がかりで大除雪。
感謝感謝の1日でした。

雪山もますますこちらにせり出して来てマッターホルンのようです。
押し場所がいよいよなくなったきました。
もうしばらく雪よ、降らないでね。


生姜糖とTPP



我が家の暖房は薪ストーブ。
3980円で最低3年は使える。
しかもその上で連れがスープを作り、
湯たんぽの湯をわかし、
切り干し大根、干しかぼちゃ、干し人参と
多様なものを乾燥させる。
極めつけはスライスしたショウガを砂糖水で煮詰めるショウガ糖、絶品である。



「砂糖と安全保障」〜TPP参加が領土問題を勃発させる〜衆議院議員石川知裕著 講談社 を読んだ。
単純に砂糖について知っているようで知らなかったことも勉強できてとても良かった。

例えば帯広に行く途中にある日本甜菜製糖の芽室製糖所は「東洋一のてん菜糖工場」で
一工場としての砂糖生産量は日本一だということ。
てん菜はひとつあたり1kg程度でそこから大体170g、コップ1杯もの砂糖ができ、
歩留まり17%はヨーロッパと並び世界でもトップクラスだという。

そんな優秀な砂糖生産地ももしTPPに参加し関税が撤廃されれば安い外国産砂糖がどっと入り込み
壊滅的なダメージを受ける。
(今でも6割を外国産にたより、自給している4割のうち80%が北海道産)
(国産価格は外国産の1.6倍〜4倍)
もっと広い目で見れば食料自給率(供給熱量ベース)は今の40%から14%に落ち込むという試算があるという
ことも忘れないでおこう。

そして副題にある「TPP参加が領土問題を勃発させる」とは何のことだろうと読み進めると、
沖縄や鹿児島のサトウキビもTPPに参加すれば上記のような理由で壊滅的となり
特に沖縄県の離島部では生活基盤を失い、無人島化するおそれがあり、
もしそうなれば最盛期には248人の島民がいた尖閣諸島の今の状況を見ればわかるように
新たな領土問題の火種となる可能性があるという。

やはり食べることの先にはいろんな問題がころがっている。
どこまでそれを意識するかによって未来は変わってくる。
生姜糖のパンチのきいた辛さと程よい砂糖の甘みを噛みしめながら、
可能な限り食べものは近くにあるべきだという思いを強くした。


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